「多賀君おでんが好きらしいわ…」

「冬だしね」

「そう、冬だからね…」

「バレンタインおでん作ってくることにしたの?アンタ」

「………………」

「汁漏れが気になるわね」

「いやそれ以前にバレンタインにおでん作ってくる女子高生日本中探してもいないと思うんだけど」

毛先をつまんで枝毛探しをしながら私の嘆きを聞く姫奈はあまり興味がなさそうで。

私に味方はいないのか。


「てかさー、それってつまりあんま好きじゃないんじゃない?」

「え?!!私のことが?!??」

「バカ違うわよ、お菓子とか甘いものが。」

たしかに。
好きなお菓子聞かれて惣菜答えるくらいだし、
よっぽど甘いものが好きじゃないのかもしれない。

これじゃ、バレンタインに告白なんて無理だ。

一気にテンションが下がっていく私にドンマイ、と肩を叩く姫奈。
なんて結末だ。