「多賀君…っ!
多賀君はさ、好きなお菓子とかある…?」

「どしたの急に」

「いいからいいから!!」

急かす私をじっと見つめて、しばらく考えた後。


「…おでん?」

首を傾げて言った。

「…いやあの、お菓子って言ってんじゃん…」

「餃子?」

「なんでかたくなに惣菜なの?」

これはなんだろう、
遠回しにお前のお菓子なんて食いたくねえよ的な?

そんな感じなんだろうか。

他の男子よりも少し幼い顔をきょとんとさせた多賀君は私の質問の意図が分からないようで。

…もうすぐバレンタインデーだぞ?

ちょっとくらい意識してもいいんじゃないか?


「ごめんなんでもないや…ありがとうね…」

「ちなみに港さんは?」

「私は甘いもの全般大好きだよ…」

「へーそうなんだあー」

完全に世間話になっている。
一気に戦闘力が削がれた気がした。