「ねー姫奈ー、お菓子嫌いな男の子って居るかな?」
「甘いもん嫌いって人はいるんじゃない?私のお父さんとかチョコレート食べらんないし」
「え、嘘でしょまじで言ってる?!!!」
思わず大きな声をあげて立ち上がってしまった。
まさかそんな人がいるなんて。
私は甘いものが死ぬほど好きで、特にチョコレートはいつまででも食べていられる程に好きだ。
だからお菓子はみんな好きだと思ってた。
お菓子が嫌いな人なんていないと思ってた。
カルチャーショックを受けながらふらりと席に座りなおす。
そんな私を見ていた姫奈は、
「…相手のさー、好きなもん作るってのはどうよ?
そしたら失敗はないと思うんだけど」
ポツリと言った。
目からウロコの気分だった。
「姫奈!…姫奈様!!えらいっ、君は天才だ!ありがとうう!!」
早口で言った私に姫奈はピースサインをしてみせる。
善は急げ、とばかりに多賀君のところへと向かった。