「どーしたの急に、まじでこれ食べていーの?」
「…うん…いいよ…」
「うま!なんかごめんねえー!私なんかが食べちゃって!!」
ごめんねなんていう割には遠慮がない姫奈は気持ちいいくらいにチョコレートを口に運んでいく。
力なく微笑んで机に突っ伏した私には何も触れず、ただひたすら私が作ったチョコレートを平らげてくれた。
次に顔を上げた時、姫奈はチョコレートを見事に完食していて。
「この箱可愛いからもらっていい?」なんて言って箱まで貰ってくれた。
私のバレンタインデーはこれにて終了だ。
ため息とともに下校のチャイムが鳴った。