「あれ?」
「ちょっと早めに着いたから」と話す。
ハローくんは、彼の顔も見ずに「じゃあゆづちゃん、またね」と離れた。
「うん。ありがとう」

ハローくんを見送ると須長くんは、「さっき一緒にいた人、前に文化祭来てたよね?」と尋ねる。
「あ、うん。よく覚えてるね」
「あいつと友達なんだ」
「うん」
「あのさ、もしかして前に言ってた気になる人ってあいつのこと?」
「え?」
「やっぱり」
「……」
「良かったね。仲良くなれたんだ」

良かったと言うけど、どこか棘のある言い方に戸惑って
「うん。いい友達だよ」
と笑って誤魔化した。









家に着くと柚月のママが待っていましたとばかりの笑顔で迎え入れてくれた。
一通り近況を話してから、柚月の部屋に移動する。

「おばさん、あんまり変わってないね」
「そう? 最近皺増えたってうるさいから、それ言ったら喜ぶよ」