だから今もハローくんに興味を持っているのは自分なのか、その心臓の持ち主のせいなのかと考えてしまう。
ふと彼の顔が思い浮かぶ。笑った顔や一緒にいると感じる明るい空気、くすりと笑いたくなるような慌てた仕草。
今日家に帰ってきてから、何度携帯の写真を見返したことだろう。
やっぱりまた会いたいな。今、会えるなら会いたい。会いたい。
胸が熱くなると、やっぱりそれは自分の感情のような気がしてくる。自分のものだから感じられている気がする。今の気持ちは初めて見かけたときに感じた懐かしいという感覚とはまた違う感情であるということだってわかる。
だから今、彼に会いたいと思っているのはやっぱり自分なんだと思う。
そこで柚月はようやく「私がハローくんのこと、好きなんだ」と気がついた。