急に真面目な顔で言うものだから、不気味に感じて
「なんかすごいわかんないんだけど、頭、大丈夫?」
と確認する。
それをすっかり無視して
「ねえ、美織ちゃんひとつ訊いていい?」
「嫌だ」
「……あのさ」
「いいって言ってない」
「須長は、ゆづちゃんは誰と一緒にいても幸せになれないって言ったの?」
嫌とは言ったもののこれには答えたほうがいい気がして、美織は黙ったまま、ハローくんを指さした。
ハッと乾いた笑いがこぼれた。

「あなたが中学から荒れてたから、色んな人から恨み買ってるんじゃないって。だから、また変なことに巻き込まれたりして危ないってそういうこと話してたよ」

それに対して柚月は考えると答えていたのかと、さっきの会話の内容を理解した。
胸が痛んだけど、やっぱりという気もする。
勝手に毎日のように会いに来てたけど、柚月が毎日来て欲しいか定かではなかった。
笑顔で迎えてくれるけど、元々優しい子だとも思う。
嫌な顔なんてできないだろう。

ハーッと身体中の力が抜けていくような、深い溜め息を吐いた。
友達としてでも付き合いを考えたいような相手が毎日見舞いなんて、最悪に決まってる。