「でもハローくんが悪いわけじゃないし」
「誰が悪いとかじゃなくて、あいつといるとまたそういうことに巻き込まれるかもしれないってことだよ。
今回はたまたま何もなかったから良かったけど。
ほら中学のときから荒れてたから、相当色んな奴から恨み買ってるんじゃない」
確かに昔の恨みで喧嘩を売られるとも渋谷が言っていた。
これから先、そういうことがないとは限らないかもしれない。
またあんな風に殴られたり、傷を作るのかな。
柚月の表情が暗くなると
「そんな奴と一緒にいても幸せになれないよ。辛いだけだよ」
追い打ちをかける。
須長くんの心配する気持ちもわかるし、柚月が逆の立場なら同じことを言っていたかもしれない。
無下にはできない。
けど、これ以上この話は続けたくなくて
「そうだね。考えてみるね。ありがとう、心配してくれて」
と話を合わせた。
頷くと柚月を見つめて
「あのさ、柚月、もう一回言わせて」
「……え」
「俺 、柚月への気持ち変わってないから」
「……うん」
「あのとき、諦めてたから返事は聞かなかった。でも、やっぱり考えてほしいんだ。柚月のことちゃんと守るから、考えて。俺と付き合ってほしい」
熱を持ったような瞳で言われ、恥ずかしくなり俯いた。