「……」
「春?」

ハローくんはガバッと身を起こすと、携帯を手にして柚月にかけた。
だけど、出ることはなく、テーブルの上に投げるように置いてもう一度横になる。
まだ先である来週の予定をキャンセルするくらいだから、調子が本当に良くないのかもしれない。
心配していると、しばらくして柚月からメールが届いた。

『ハローくん、ごめんね。この前は家に送ってくれてありがとう。
実は少しの間入院することになりました。
大したことないんだけど。念のため。
消灯時間も過ぎてるから、電話に出れなくてごめんね
先輩にもお礼を伝えててください』

入院という言葉を重く受け止めた。そんな状態にさせたのは、自分の責任にも感じている。

『病院どこなの? お見舞いに行くよ』
『ありがとう。でも大丈夫』
『来られるの、嫌?』
『そういうんじゃないよ。大したことないから』
『大したことないなら、行かせてよ』

自分でもしつこいと思ったが、顔を見るまで落ち着かないのでねばる。
そこでようやく柚月が折れて
『うん。じゃあ、待ってるね』
と返信が来た。