入学式が終わったその日の夜。
俺は戦いに向けて体力を温存していた。
朝じいちゃんから依頼が来た。
今日、高木組を潰すと。
頼れる協力者も一人いる。
まぁ、それに高木組を倒せば、
族No.2の氷鬼と結託することは無くなる。
個々の力はそれほど強くない。
ん、そろそろ時間だ。
別の案件で調べ物をしていたらすぐだった。
準備をして死神の格好になる。
さぁ、行くか。
俺がリビングを出ようとすると、
雷が帰ってきた。
「あれ、今から死神がお出かけ?」
「あぁ、運動してくる。」
「…そっか。
いってらっしゃい、気をつけてね!」
「あぁ、行ってくる。」
雷は何も知らない、聞いてこない。
俺には、それが心地よかった。
何も詮索されず、
ただ帰りを待ってくれる。
雷がいてくれて良かった。
半年前、
俺は何気なく雷を家に連れてきた。
多分俺は無意識のうちに、
寂しさを紛らわそうとしていたんだろう。
雷、
俺は必ず帰る。
お前の元へ。
待っていてくれ。