旅行から帰って数日。


やはり休みに入ると変なやつが増える。

今日も死神の格好をして出掛ける。


詩音…は確か広野の家に泊まると言ってたな。


よし、ここら辺は大体治まってきたし、

この前の旅行地に行くか。


電車で二時間の場所。


ブラックというあの子も少し気になる。

あの黒髪は作り物のようだったし…

少し調べたがあまり情報は無いようだった。


俺は株主の仕事を終わらせてから夕方に出掛けた。





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確かに多いな。


ここら辺は治安が悪い。


ブラックが昼にも出ていたのも頷ける。


せっかく来たのだからと何人も絞めた。


さて、日も跨いだ。

これから増えてくるかな。


そう思っていると、

遠くから毛色の違うバイクの音が聞こえた。


ブラックの縄張りに入ったからかな。


この姿で会ってみるか。






「…あんた、死神か。」


「あぁ。」


「ここに何の用だ。」


「別に。」


「気まぐれか。

別名野良猫と言われるだけあるな。


…あんた、本当に銀なんだな。」


「…」


俺が喋らずにいると、

ブラックは自分の髪を掴んで引っ張った。


「銀…

目はカラコンか?」


俺がそう言うとカラコンも取った。


「あたしのこと、知ってる?」


そう言いながら俺を見据える。


「…残念ながら記憶がない。」


「…そうか。

お前も違うか…」


「…俺は」


「?」


「五歳からの記憶しかない。」


「…!

それって…!」


「でも記憶がない。」


「…。」



「…検査したら確実だ。」


「…!

うん!」


「この話は終わりだ。

これからまた遊ぶだろ?」


「そうだね。

これからまた増える。」


「共闘するか。」


「…!

そうする。」


その日明け方になるまで二人で暴れた。


初めて共闘したとは思えないほど息が合っていた。


感覚的に分かった。

この子は俺の妹だ。