今日は街の方へ行ってみるか。
海から街へは反対方向だし、
街だったらもし会っても言い訳ができるだろう。
すぐに準備をして出掛ける。
案外早く街の入口に来た。
するといい匂いが香ってきた。
その方向へ進むとそこは露店街になっていた。
色んな食べ物が売っていて、
昨日の場所より賑わっていた。
何個か見繕い、近くの食事スペースに座った。
昨日の露店は観光者用だったのが分かる。
ここの露店の食べ物は、
好き嫌いが分かれる地元の食事のようだ。
でも俺には合っていたようで美味しく食べ終えた。
さて、次は…
松原と東堂にお土産買っていくか。
そういえば松原は自分用の湯呑みが無かったな。
東堂は…酒かな。
地元ならではの湯呑みや酒があり迷ったが、
最終的に実用的でシンプルな物と辛口の物にした。
時間がかかったと思っていたがまだお昼になっていなかった。
何もないし一旦帰るか。
荷物もあることから部屋に戻った。
そういえばベランダがあったな。
窓を開け、手入れされた椅子に座る。
いい眺めだ。
俺はそこで本を読んだり仮眠をするなどして過ごした。
夕方になった頃、
ドアの向こうに微かに音が聞こえた。
ガチャ
「おかえり。」
「あ!真!ただいま!
用事は終わったの?」
詩音が飛びついてきて言った。
「あぁ、一緒に行けなくてごめんな。」
「次!次は一緒に遊ぼうね!」
「あぁ。」
頭を撫でるとワカメが付いてきていた。
「ふっ、
詩音、楽しんだみたいだな。」
「え?
…あぁー!
こ、これは、違っ!んー!」
その日寝るまで皆からのワカメいじりに激怒する詩音が見られた。