「どうしたんだい?
考え込んで。」
おじいさんの言葉で我に返る。
「あ、…いえ。
それより、
笑海さんはどんな子だったんですか?」
俺は少し考えたが、
言わないことにした。
これで違ったら、
ぬか喜びさせてしまうだけだ。
「そうだなぁ。
笑海はとにかく明るくて元気で、
何事も楽しくやる子で、
周りの人を笑顔にさせることに徹底していたな。
あ、そうだ写真があった。
ちょっと待ってくれよ…。」
そう言うとおじいさんは、
タンスの中をゴソゴソしだした。
「お、あったあったこれだ。
…ほら、この子が笑海だ。」
おじいさんが出したアルバムを広げ、
写真の中の一人を指さす。
「…、」
俺は写真の子を見て確信した。
小さい頃の詩音にそっくりだ。
この子は、詩笑さんに間違いない。
「あの、
また来てもいいですか?」
「…あぁ、
こんな老いぼれで良ければいつでも。」
おじいさんはにっこり笑った。
「…今度は、
俺の守りたい子も連れてきます。」
「あぁ、待ってるよ。」
俺は、おじいさんと少し話すと店を出た。