俺達はオセロを一旦止め、お昼を食べていた。
「真にはみんな一回も勝てなかったねー。」
「当然だ!俺の親分だぞ!」
「私のでもあるけどな。」
雷、東堂、松原の順に喋る。
東堂は、松原のことを今にも噛みつきそうな目で見ているが、放っておこう。
「あ、そうだ、テレビ付けよ。」
「あぁ、私が。」
そう言って、
松原がリモコンを雷へ渡す。
「松原さんありがとう!」
雷は松原にお礼を言いつつテレビを付けた。
ちょうどお昼のニュース番組が映し出された。
「今日はこの疑惑のニュースに進展がありました。
大手チェーンメーカーの社長、
夜月迅氏が、
薬物を取り扱っていた問題です。
警察は、証拠不十分ということで、
逮捕に踏み切れない状況でしたが、
今日の午前十一時頃、
夜月迅氏を、
薬物所持や、暴行罪などの罪で逮捕しました。」
うん。ちゃんと動いてくれたようだな。
「そうそうこれ、嫌だよね。
それに、この社長。
俺の友達の苗字と一緒だよ。」
詩音のことだろう。
この頃さらに仲良くなって、
詩音も倉庫に出入りしているようだ。
「へー、そうなのか。」
東堂が雷へ興味無さそうに言い、
ご飯を食べ進める。
「興味なさそー。
番組変えるよー。」
「あぁ、好きなとこまわせ。」
俺がそう言うと、
雷はうんと笑顔で言いながら頷き、
お笑い番組にまわした。