そんな茶番を続けて30分。
人がまばらになった。
よし、奥行くか。
進むにつれて、
強いやつも増えてきた。
さっきのようにしていたら、
傷を負いそうだ。
何人か倒すと、組長部屋の前に来た。
来たはいいが、
また嫌な奴だ。
『待ってましたよ。
さぁ、
…ヤリあいましょうか。』
俺はフル無視して攻撃態勢にする。
『ツレないところも素敵よ♡
けど、
…私に服従する死神も見てみたいわ♡』
そう言うと、
俺に向かって走ってきた。
リーチがでかいから、
すぐに俺のところへ来る。
俺は、
攻撃をいなしてから、
相手から離れる。
相手は全裸だが本気なようで、
しっかりと俺を見据えてくる。
『やっぱり…、』
ん?
『死神って私の理想的〜♡』
真剣はどこにいった(-"-)
ブンッ
「んっ…、」
…油断した。
俺は集中を切らしてしまっていたようだ。
危機一髪で避けたが、
あれが当たっていたらと考えると恐ろしい。
『あら〜今の絶対入ったと思ったのに〜ざんねーん』
わざとらしく肩を落とす。
『でも、声は聞けたわ〜
可愛い声ね♡
…ね、
…もっと、聞かせて…?』
気が狂ったやつの目だ。
だが人間やっぱり、
一つは欠点があるようだ。
集中を切らしてた俺が、
殴られる直前で避けれる速さ。
リーチが長く早いと思っていたが、
それは足の速さだった。
上半身は、無駄な筋肉で動きが鈍い。
これならいける。
俺は集中しなおした。
敵に向き直し、
今度は俺から仕掛けた。
俺が大振りで殴る。
これはいなされる。
いなしたあと、
相手は俺の後に回り込む。
そこに俺は、渾身の蹴りを入れる。
『ガハッ…、』
…どうやら気絶したようだ。
俺は足早に組長部屋に入った。