先生の声が合図に
やっと弱まる貴方の力。




はい。今、“柔道”をしてます。






数秒後たってから

私に覆い被さっていた体を離して、立ち上がる貴方こと〔松岡 奏汰(マツオカ カナタ)〕。


あたしこと〔名波 香織(ナナミ カオリ)〕は、只今 奏汰が強く抑えつけていたので体が痛くて痛くて動かせない。


まったく、この男には“手加減”って言葉が通用しない………。




………でも、


「――立てるか?」


そう言って、あたしに手を差し出てくる奏汰。


意地悪で容赦ないのに    …優しい……というギャップに
カエルが跳ね回っているように心臓が動きだす。




「あ、ありがとッ……」

照れくさいながらも差し出された手をとると、



「てか、お前も女なんだな」 

と言う不可解な言葉が返ってきて、

頭にクエスチョンマークを浮かべているあたし。