それからしばらくして、瀬崎さんが戻ってきた。


「ごめんね」


「いえ、椎名さんからだったんですよね?」


「うん。どこいるんだー?って」


「あ、ごめんなさい。椎名さんも呼びますか?」


そうだよ。


あたしにかまってる暇なんかないよね。


いきなり誘ったりして、迷惑じゃん。


「んーん。今日は彩華ちゃんと約束してたから」


「でも…」


「あ、また迷惑とか思ってる?気にしなくていーよ。どーせ颯輝も大した用事もないんだしさ。それに約束したじゃん?」


「……はい」


約束…。


いつもなら絶対に信じない約束も瀬崎さんの言葉なら信じられる。


初めて会った時からなんでか分かんないけど、瀬崎さんは信じられる気がした。


どうしてなんだろう。