23時30分。


もうすぐで龍ちゃんの生まれた日。


みんなすっかり寝ちゃってる。


今日はここに泊まることになってる。


「ん……」


「あ、龍ちゃん。起きちゃった？」


「ん、あぁ」


龍ちゃんもお酒飲んで酔っ払って寝てたんだよね


「龍ちゃん、ちょっとだけ散歩しない？」


「ん。いーよ」


あたし達はみんなを起こさないように静かにお店を出た。


深夜の道路は静かでまるでこの世にあたし達しかいないみたい。


「夜って不思議だよね。なんかいつもより緊張しちゃう」


隣を歩く龍ちゃんを見ながらそう言った。


「夜はさ、昼と違って静かだし、周りがほとんど見えねぇから。目の前にいる人しか見えねぇから緊張すんだよ」


そっかと納得してると。


横から小さな声で俺も緊張するしって聞こえるから心があったかくなった。