「なに、呑気なこと言ってんの?もしかしたら、記憶が戻っていたかもしれないのに」

ん?

「すみません、先輩最後の方聞こえませんでした。」

私が聞くと先輩は我に帰ったかのようにして

1人でブツブツ言っている。

「さき、取り敢えず今日は送るから帰るぞ。」

え!?先輩が送ってくれる?

「ほんとですか?」

「嘘を言うはずないでしょ?ほら、おいで」

は、はい!私は先輩の手をギューと握りしめると、先輩も優しく握りしめてくれた。