その為、恵志が喧嘩で負けることがある筈もなく、(もし負けたとしたら天と地がひっくり返った時くらいであり)フラッと足を踏み入れた繁華街の裏でどっかの族の幹部を偶然倒してから(どんな偶然だよ)、



フードをかぶっていたため顔バレはしていないものの、フードから見えたその色素の薄すぎる茶髪からそうであろうと判断され、追われる身となっていた。






と、現実味のない話をされ、疲れてしまったので自分の配分の両親の遺産を使い、海外に暫く旅立つのだと言う。







……っバカ野郎!!!





「何で、そんな大事な事当日に言うんだよ!!?

昨日も普通に夕飯一緒に食べてたんだから、その時に言えよっ!!

んで、手紙なんだよ?!!」




そう言って、電話で恵志の耳のことも考えずに怒鳴る。





「悪かったって!

直接、言ったら反対されるって思ったんだよ!!

でも、大丈夫だろ?

何かあったら恵雅、頼れよ?」





散々な言い訳の末、最後は少し心配であるかのような声音。






そう思うんなら、最初から行くなよ。





と、考えるけど双子であるが故か。




恵志の気持ちは分かってしまう。