空気が張り詰める。

緊迫感に押しつぶされそうだ。




「で、俺らに何か用?」



先陣を切ったのは、学ランの男の子。


どうして、ちょっと好戦的な態度なんだろう。



「誤解しないでほしいが、お前らに用があるのは、こいつ。俺たちはこいつについてきただけ。いわば保護者だ」



あず兄がやや焦りを滲ませながら、隣にいる私を指差す。


皆、保護者って立ち位置で来てたの!?

初耳なんですけど。



「えっ?そうなの?」

「……は、はい、まあ……」


おずおずと数歩前に出れば、ピリついていた雰囲気が急激に和らいだ。



呆気に取られていた学ランの男の子は、すぐに嬉しそうに目を輝かせる。


持ち前の素早さで、瞬く間に私との距離を詰めてきた。



「もしかして、俺に会いに来てくれたの!?」