『ところで小坂君は部活動何に入るの?』
『あ、そういえばこの学校部活動強制でしたね』
忘れていた。この学校は強制的に部活動に入らなくてはいけない。
『ちなみに友香さんは何部に?』
『はい、私は音と一緒にがっ...』
『てかなんで3人でいるのに光君は音に話しかけてくれないの?』
少し頬をふくらませて音が入ってきた。確かに友香さんとばかり話していた。
『ごめんごめん、で、音と友香さんは何部に?』
にやりと音は怪しい顔をして
『音は友香と合唱部に入る!』
『へぇー、合唱部ね、いいじゃん似合ってるよ二人とも。』
俺はなんとなく褒めてみた、本当はせっかく仲良くなりかけている二人のいる部活に入りたいが残念ながら俺は最強に音痴だ。
『ただちょっと困ってて...』
友香さんは下を向き不安そうな顔をした。
『どうしたんですか!何があったんですか!何でもしますよ!』
勢いよく大声で言っていた。おそらくまわりからみたら世にいうヤバい奴だったに違いない。友香さんは俺の肩に触れてきた。少しドキッとなぜか不気味な顔をしながら俺にいった。
『なんでもするんですよね?』
恐怖のあまり断ることが出来なかった。
『じゃあ、合唱部に入部ね!』
友香さんは笑顔で俺に向かって言ってきた。なぜか音と抱き合いハイタッチをしている。
『ちょ、ちょっとまってください、俺音痴ですし、他にも歌うまい人いると思いますよ!』
俺は断ったが友香さんはため息をつき、説明してあげなさいと音が俺に説明をしてきた。
『この学校には合唱部なんてありません!けど中学の時に音と友香は合唱部だったし高校でも続けたいから部を作ることにしたの!それに音痴でも指揮者くらいできるでしょ?』
俺は戸惑ったが友香さんには借りがあるし特にやりたい部活もないし歌えないが指揮者くらいならできるかと軽い気持ちで入部することを決めた。その事を伝えると音は
『よし、じゃああと二人だね!』
音と友香さんは嬉しそうにまたハイタッチをした。
『あと二人入れば正式に部として認めて貰えるんですか?』
『ええ、そうよ。明日から頑張って探しましょう。』
友香さんはそう言った。合唱部に入ることになった俺はとにかく分からないことだらけだから二人に指揮者について話を聞いていた。
だが、友香さんは話が最強に長い。少し眠くなりながら話を聞いていると、左の公園の方から少しハスキーだがとても綺麗な歌声が聞こえてくる。気になり3人で見に行くとそこにはうちの制服を着たどこか見覚えのある後ろ姿の女の子がブランコに揺られて歌っていた。