結局僕らは誰にも愛されなかったんだ。

そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあってきた。

「大丈夫?」

「っ?!…手繋いでくれるの、心強いよ。」

「死ぬまで君を守るよ。」

「もうすぐ死んじゃうけどね…」

肩を合わせた2人。

道を歩いて、ご飯を買って食べながらまた歩いて、時々走りながら歩いて、ひとつも建物のない所も歩いて、ひたすら歩き続けた。

お金が無くなれば取ればいい。

お店に入ってナイフを突き立てて脅し、お金を取る。

そしてまた2人で逃げて。

2人ならどこにも行ける気がした。僕らに怖いものは無かったんだ。

逃げている時の汗も、落ちてしまったメガネも、今となっちゃもう要らないや。

逃げ切った時、僕は口にした。

「いつか夢見た優しくて誰にも好かれる主人公なら、汚くなった僕らも見捨てずにちゃんと救ってはくれるのかな?」

「そんな夢なら捨てたよ。だって現実を見ろよ、シアワセの4文字なんてなかった。今までの人生で思い知ったじゃないか。自分は何も悪くないって誰もがきっと思ってるよ」