《海南side》

私は今、人の家にいる。

家の主は先程太陽の下で出会った人。

この人はとても優しかった。優しくされるのが初めてだった。

その人に今日あった出来事を全て話した。

話を真剣に聞いて、同情してくれた。それが何よりも嬉しかった。

この人なら信じれる。信じても、後悔しない。そう思った。

だけどこれでお別れをしようと思ったら

「僕も連れてって」

と言い、何故か出かける準備をし始めた。

「どうして…?!あんたには関係ないことだよ?!」

「あ、名前まだだったね。垣井ゆずるだよ。よろしくね。君は?」

「私の質問に答えてよ!」

「…君と旅に出たいと、思ったから。」

「っ…海南レナ、よろしく」