《垣井side》

ギラギラ輝く太陽、淡々と鳴り響くセミの鳴き声、おいおいと茂る植物たち。

梅雨時、今だけ良く晴れている。さっきまで降っていたのに。

学校帰り、この何も無い田舎の道を歩いている。

家が皆とは離れているため、1人で帰っている。

その時、後ろから走ってくる音がした。

ドンっ!

「いったぁ…大丈夫で…っ?!」

「…っ」

君は………泣いていた

ぶつかった君は直ぐに立ち上がり走って行こうとした。

「ちょっと待てよ!」

僕は君の手を握り止めた。

「ご、ごめんなさい!私…別にそんな気があって突き飛ばした訳じゃないんですっ!ちょっと飛ばしたら打ちどころが悪くて…」

「大丈夫?何が…あったの?」

「…え?」

君を引き止めないと…なぜ泣いているのか理由を知っとかないと…後悔するような気がした。

そして僕と君は輝かしい真夏の太陽の下で出会った。