食事を終えて片付け、僕は掃除を始めた。しばらくここにいるとなると少しでも綺麗な場所に居たいしなんせここはすごく汚いのだ。
鈴はあまり気にしてないらしい。やはり僕達はとことん合わない。山道を散々歩きご飯を食べたし風呂に入って寝たいところだが、この小屋には風呂がない。雨にも濡れ歩き回り泥まみれだったためどうしても体を洗いたかった僕は鈴に風呂をどうしているか聞いた。すると以外な答えが帰ってきた。なんと2.300mほど先に湯が沸いているらしい。この山は本当になんなんだと疑問に思う前に素直に風呂に入れるという嬉しく一瞬に行くことになった。
『てかなんで最初あんなに動揺してたの?』
と鈴が思い出したかのように言ってきたので
『鈴がいきなり乗ってきたからだろ?』
と少しきつい言い方をしたら
『なにムキになってんの?え、そんくらいあるでしょ?彼女とかいたの?』
と軽くバカにしたような言い方をしてきた。彼女ができたことは無いという嫌な記憶だけはなぜか残っていた。鈴は怯んでいる僕にさらにおいうちをかけるかのように
『まぁこんな美人とお風呂入れるんだから自殺しなくて良かったね』
と馬鹿にしてきた。ムカつくやつだ。やはり僕は鈴が苦手だ。とのんきなことをいつまで言っている時二人は目を合わせこう思った。
『え、こいつと風呂入るの』
しまった。考えてもいなかった。男女で風呂に入るということも。しかも僕達はタオルなども一切もってきていない。
『べ、別に私はいいけどね』
と鈴は意地を張ってきたので負けまいと言い返し結局お互い目も合わせれず入浴してしまった。見てはいないものも仮にも裸の男女だ同じ風呂に入っているんだ。気まずくないわけがない。小屋への帰り道が無言だったことは言うまでもない。次から風呂の時間だけは絶対に別にしようと二人は誓ったに違いない。