「何あの態度!」凪美子は少しキレる。

それを何度か繰り返すが、武尊は止まろうとはせず、どんどん歩いて行く。横断歩道に武尊が差し掛かった時、凪美子はそのまま武尊に、突っ込もうとして、ギリギリで急ブレーキをかけた。

「危ないだろ!!」

大声で叫ぶ武尊。

凪美子は車を降りて武尊のそばまで行くと、

「こうでもしないと止まってくれないでしょっ!」

きつく言い寄った。

凪美子の言葉に、呆れる武尊。

「だからってやり過ぎだ! 殺す気⁉」

「だったら逃げないで!」

「逃げてるのは蓮見さんの方だろ!」

二人がメロドラマを繰り広げている間、信号は変り、邪魔だとクラクションを鳴らされる始末。

凪美子は無理矢理武尊を車に乗せ、近くのカフェで話すことにした。