――好きです! 蓮見さん ――僕は諦めませんから!
凪美子の中に、突然落ちて来た武尊の言葉。
拒む理由などなかった。ただ、あまりにも開いた年の差、その彼は、我が息子と変わらない年齢、それだけだった。
それと、思いもしなかった、武尊からの突然の告白。遠い昔に置いて来た要素の一つだった、恋愛。あえて自分に思いを寄せてきた彼のことを、気にならないと言えば嘘になる。
受け入れるかはともかく、何とか今の武尊との関係を修復しなければならい。
凪美子は、自慢の真っ赤な外車を飛ばして武尊の許へ。
武尊の行動はつかめなかったが、凪美子は直感で、大学に向かっていた。
するとちょうど、武尊が出て来て、歩道に出て来た。
クラクションを鳴らす凪美子。その音に気付き、武尊はチラリとそちら側を向いた。
がしかし、凪美子と分かると、プイと顔を向き直して、そのまま歩いて行った。