当初クラシックアメリカンだったカームクロだが、最近はカジュアルなデザインが多くなって来たのはなぜか、デザイナーである凪美子自身、方向性を変えようと、あえてそうしているのか、ならば、一大ブランドとして確立しておきながら今更なぜなのか、自社独自の開発で、特許を持つ〝 こだわりの生地 〟を使って、カジュアル商品へ転向か⁉など、武尊は凪美子に質問攻めにした。

「社員より詳しいわね?」

笑って凪美子は言った。

「もしかして、凪美パパの意志を継ごうと?」

凪美子の核心に迫ろうとした。

「凪美パパは良かったわね~、そう! それはあるかもしれない」

「やっぱり! 以前、蓮見社長のお父さんのことを聞いていたから、そうかなって」

凪美子が武尊に感心する中、武尊は、社員に商品トレーニングして、もっとカームクロを知ってもらい、その上で、新たに、流行りに寄せた、カームクロのカジュアル部門、つまり、「伝説のブランド」を復刻させてはどうか?など、そして事細かく、予算や販売計画に関しても、自分の意見を述べた。