この件も、凪美子はちゃっかり見ていた。
そしてデータ入力だけでなく、会議に必要な書類なども作らせてみた。
すると今までの模範的なやり方でなく、個性溢れた、かつ見やすい出来映えとなっていた。
売り上げに関しての年度別比較、流行の当社と他社との比較もされ、バイトを始めたばかりとは思えないほどの出来上がりで、今後のカームクロの課題まで提示していた。
会議が終わってから、凪美子は武尊を呼び出した。
応接室で待っている武尊の所に、凪美子がやって来た。立ち上がる武尊を、座るように促す凪美子。
「今後のカームクロについて、聞かせてほしいの」
突然の凪美子の言葉に武尊は驚いた。
「今日の資料の中に、最後課題も提示されていたから、ぜひ」
試すように武尊に聞いた。
「あえて言うなら――」と臆することなく武尊は話し始めた。