――……はっ!!

凪美子は閃いた。

「人間って身勝手な生き物よね? 自分自身も子育てをして来たのに、大変って言葉だけが頭に漠然と残るだけで、その記憶を置き去りにしてしまうんだから。こんなにも女性社員が多いのに、私どうして社内保育所を作らなかったのかしら」

「社長~! 私密かにそれ願ってたんです!」

「なら早く言ってよ~! 何だか私、最低ね。売ることばっかり考えて、働き易さを考えてなかった」

今日の昼食会は、癒されるだけでなく、ためになる一日となった。

凪美子の会社では、他にも子供を抱える社員はいて、社内保育所の提案は、賛成も多かった。

凪美子は、必要な設備や人員を確保し、そのための手続きを行った。

その行動は迅速だった。

〝 カームクロ、女性のための働きやすい会社! 〟と世間でも謳われるようになった。