それから別の日、凪美子から、休日一緒に食事をしないかと、武尊は誘われる。

もちろん、岡本や秀奈も一緒に。

四人デート当日。秀奈は武尊を見つけるなり、駆け寄り手を繋いだ。今日の日を楽しみにしていたようだった。

武尊もそんな秀奈に、優しく笑い掛けた。

子供も楽しめる、ブッフェ形式のレストラン。

中央にチョコレートの噴水があり、秀奈はそれに釘付け!

「秀奈ちゃん、これはあとのお楽しみにしよう?」

武尊は秀奈を連れて、秀奈が欲しいと言うものをお皿に乗せた。時には、秀奈を抱きあげて取らせてやった。

秀奈が歩き回るあとを、武尊はついて回り、小さな秀奈が、テーブルの角で頭をぶつけないように、さり気なく角を手で覆った。

話す時も、常に秀奈目線で接していた。

その光景を凪美子と岡本は見ていて、

「子供が好きでないとできないわよね」

凪美子が何気に言うと、

「そうなんです。ほんとに面倒見がよくて、武尊君、絵本読むのがとても上手なんですよ」

岡本が、夕飯をご馳走した時のことなどを詳しく話した。

凪美子は、岡本が武尊のことに詳しいことと、〝 武尊君 〟という岡本の言い方に、なぜか少しショックを受けた。