目が覚めた秀奈は武尊にべったりで、ご飯のあとは、一緒に折り紙したり、お絵描きしたり、武尊は秀奈を膝に乗せて、絵本を読んでやった。

声色を変えて読んだり、テーブルを叩いて効果音を付けたりする、想像力を掻き立てる読み方に、秀奈は真剣に聞き入り、絵本を食い入るように見ていた。

日を重ね、秀奈とは、よく遊ぶようになり、公園で遊んだり、かくれんぼしたり、ある時ママに内緒で、武尊と一緒におやつを食べたりして、「いしししし~」と顔を合わせて二人悪戯に笑ったりと、小さな内緒ごとも武尊となら楽しかった。
 
「お片付け出来ない子には、おやつあげません!」

ママのお叱り。

おもちゃを片付けず、母親に叱られて泣いていると、いつも武尊が助けてくれた。

「秀奈ちゃん、おもちゃが眠いって言ってるよ?」まるでおもちゃが、意思を持っているかのように、興味を持たせた。そして自発的に片付けするように、武尊は誘導した。

「秀奈ちゃん眠いよ~」おもちゃを持ちながら、秀奈に呼び掛けた。

それに答えるかのように、ゆっくりゆっくりと、秀奈は小さな手におもちゃを持って、一つ一つ片付けをした。