すると、離れたフロアから、先輩社員がつかつかと、村上の所にやって来た。
「私村上君に頼んだよね? 何で英君に押し付けてんの! 彼はバイトだからする仕事に制限があるの! 分からないなら聞きなさいよ! 前にも言ったでしょ!」
成長の見えない村上にイライラした。
それで、怒りを抑えながら、一から説明をした先輩従業員。
「はいはい」とふて腐れた態度の村上、先輩従業員が去ったあと、また溜息を吐き、しばらく、ぼ~っとしていた。
武尊も行こうとしたら、
「うるせぇよな⁉」
村上が聞こえよがしに言って来た。それに苦笑いする武尊。
「あんな言い方しなくてもよくない?」
相手を馬鹿にしたような言い方に、呆れる武尊。同時に、そんな態度しか取れない彼に対して、同情さえした。
なかなか作業に移らない村上。
早くまとめたファイルを送らないと、みんな困るだろうと、武尊は心配すらした。