廊下に引きずられて出て来たあたしは尚も抵抗を続けた。


ここは校舎内だし、先生も警備員もいる。


これ以上乱暴なことはされないはずだ。


心の中でそうわかっていても、怖いものは怖い。


男は容赦なくあたしの体を引きずってどこかへ連れて行こうとしている。


おそらく、自分たちの仲間がいる場所に行きたいのだろう。


「みんな見てるし、やめた方がいいよ!」


あたしは振るえながらも声を張り上げた。


男がチラリとあたしを見て軽く舌打ちをする。


「せ、先生たちが警察を呼んだかもしれない!」