まだ眠い目を擦りながら自室からリビングに続く階段を降りていき、母親が用意したスクランブルエッグとサラダ、トーストの朝食をモグモグ食べる。

「おはよう。昨日も遅かったみたいだけど、無理はしすぎないようにね。」
声をかけてくる母親に軽く、ああ、と返事をすると、綾一は制服に着替えて玄関へ向かう。
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
いつも変わらない他愛の無いやりとり。