浮気されて一気に冷め、
中学からずっと付き合っていた彼氏と
別れた。
そんな時だった。
彼が私に話しかけてきたのは。
彼は学園のアイドルのような存在で
私とは無縁だと思ってた。
だけど…
「実はずっと莉子ちゃんの事
気になってたんだよね。」
耳を疑う衝撃発言。
しかもビックリな事に
私の元彼と彼の元カノが
浮気相手同士だった。
そんな事もあって
1度だけデートしてみると、
彼はSっ気強めのオオカミ君でした。
今日も1人、早めに登校して
自分の席でぼーっとしている。
最近は桜が綺麗だから
飽きないんだ。
実はこの時間が好きだったりする。
なのに…
「ひ、姫野さん!ちょっといいかな?」
邪魔された。
姫野さんとは紛れもなく私、
姫野莉子の事だろう。
だって今、教室には
私と話しかけてきたこの男の子
2人しかいないんだから。
まだ時間も早いから
廊下に人がいる気配はない。
「なに?」
視線を彼に合わせそう聞いた。
なんとなく用事は
分かってるんだけど。
「あ、あの!
1年の頃からずっと好きでした!
僕と付き合ってくれませんか?」
ほら。告白。
私、彼氏いるのにな。
だから返す答えは決まってる。
「ごめんなさい。」
これがいつものパターン。
「り、理由を教えてくれないかな?」
こう聞かれれば
この答えも決まってる。
「あなたの事知らないから。
ごめんなさい。」
だって知らない人と付き合える方が
不思議じゃない?
って、私は思うんだけど、
一番身近にそれをしている子がいたりする。
男の子が去って行って
20分くらいした時かな。
校門で愛想振り撒いてる
その子を見付けた。
そのうち私の席へやってくる。
「おっはよ~!」
ね、来た。
「おーはよ!」
この子は有栖美桜。
私の中学からの親友。
恋愛に関しては
すっごくテキトーだけど、
相談とかは真面目に乗ってくれて
本当はとってもいい子なの。
顔はとにかく可愛くて
スタイルもいいからモテる。
それに愛想もいいからね。
担任が来るまでの数分、
毎日美桜と話すのが
私達の日課。
「そう言えば莉子、彼氏は?」
今日の話題は私の事みたい。
私は中学から付き合ってる彼氏がいる。
彼の名前は山田蓮(ヤマダ レン)。
他校のサッカー部。
本当は同じ高校に
進学したかったんだけど、
お互い行きたい高校は譲れなくて
別々の道を選んだ。
でも、最近それを後悔し始めている。
「それがさ~、最近部活が
忙しいとかで会えないんだ~。」
そう、2年になって
レギュラーになった蓮は
放課後も自主練を遅くまでやっていて
中々時間が合わない。
私もバイトがあるしね。
かれこれ
2週間近く会えていない。
すると美桜はいつものように
テキトーな事を提案してきた。
「なら、すぐ会える彼氏
探せばいいのに!同じ学校とか!」
うん。まぁ美桜ならそうするよね。
「美桜、そうじゃないんだよ~!
彼氏は暇つぶしじゃないの!
好きだから彼氏なの!」
そう言っても腑に落ちない様子。
ほとんどの女の子は
私の考えに賛成すると思うんだけどな。
美桜は特別。
本気で恋をしたことがない。
前に傷付くのが嫌だからって
言ってた。
私はもったいないなって
思っちゃうけどね。
「早く美桜にも
大切な彼氏が出来ると良いね。」
心からそう言った。
すると美桜は
何か言いたそうにしてたけど、
チャイムが鳴ってしまったので
朝のおしゃべりタイムは終わった。
担任が入ってきて
連絡事項を聞いてる時、
ポケットの中のスマホが震えた。
こっそり画面を開くと
♡蓮♡の表示。
蓮からのメッセージに胸を高鳴らせ
ワクワクしながら内容を読むと
『ごめん、今日の放課後も練習。』
絵文字も何もない
たったその一言だけ。
期待した私がばかだった。
最近こんなのばっかり。
でも今日はまだいい方。
この前は待ち合わせ場所で
30分も待った後に
行けなくなったって連絡が来た。
もう、だめなのかな…。
学校との距離が
私達の心の距離も
離してしまったのかも。
思わずハァと深いため息が出た。
放課後の予定がなくなった事で、
気晴らしに美桜と
パンケーキでも食べに行こうかな
なんて考えてたら
午前中の授業はあっという間に終わっていて
迎えたお昼休み。
美桜とお弁当を食べようとすると
廊下から盛大な
女の子たちの歓声が聞こえた。
「はぁ~、今日はバスケのお時間なんだね。」
うちの学校には王子様が存在する。
1人は結城斗真。
容姿端麗成績優秀。
何でも持ってそうな
クール王子様。
彼女を作らなくて硬派な所が
一番ポイントが高いみたい。
もう1人は
阿久津颯人。
こちらも容姿端麗成績優秀。
2人は親友らしくて
いつも一緒にいる。
阿久津君は結城君と違って
愛想がいいからアイドルみたいな感じで
人気がある。
でも、彼女いるらしいんだけどね。
そんな2人は
運動神経も抜群。
バスケ部の2人は
たまにお昼休みに友達と
遊びでバスケをする。