「それじゃ斉藤、入れ」

ガラガラ...


「おぉー!!」
教室から歓声が上がる。実質、顔を伏せているオレは転校生を確認していない

「おい、拓!!やばいぞ拓!!!アレはランク5だぞ、拓!!見ろ、拓!!!!」

「名前を連呼....」




そう言葉を失った。担任の横に、髪を二つ結びにした、かわいい子が立っていたのだから。

「んじゃ自己紹介!」

「えっえっと...斉藤未里、中学二年生です!」

静まる教室。
「中学二年生ってそりゃそうだよ」
誰かが発した一言で、教室は笑いの渦。
だがオレは斉藤から目が離せない..。

今までたくさん恋をしてきた。かわいい子も好きになった。
「斉藤ちゃん、しかも天然だよ。やばいな拓!」

これが恋なんだと信じて疑わなかった。
だけど、今なら言える。


-恋は未里にした一度だけ-


心から心に惹かれる感覚。これが恋

今すぐ喋りたい。これが恋

自分の物にしたい。これが恋