「なにしてんの」
「え……?」
弾けたように後ろに視線を向けると、そこには無表情の彼がポケットに手を突っ込んで立っていた。
「もしかして、俺のこと待ち伏せしてた?」
なんて、おどけたように笑う彼。
その頬には私が昨日あげた絆創膏が貼られていた。
かわいいクマのイラストが描かれた絆創膏は圧倒的オーラを放っている彼とは対照的で思わず笑ってしまいそうになった。
「そ、そんなことない!これ、貸してもらったから返しに来ただけ!」
そう言って、持っていた紙袋を彼の胸元に押し付けた。
恥ずかしくて顔を直視することが出来ない。
「あー……あげるっつったのに」
「申し訳ないし!」
「お前、案外真面目なんだな」
くすり、と笑った彼。
その笑顔にトクンと鼓動が高鳴る。