信じていないわけじゃない。
だけど、別に信じても信じなくてもわたしには関係ない。
「さあ?」
「生意気なやつ」
そういうと、廉は私と頭をコツンと軽くつついた。
「いたっ」
「嘘つくなよ」
「嘘じゃないし!」
仕返しとでも言わんばかりにわたしも廉の肩を思い切りグーで殴った。
よし、これでスッキリした。
「怪力女」
「うるさい!」
夜の道は人がいないからわたしたち二人だけの声が響き、街灯がうっすらとわたしたちを照らす。
地面に映し出された影だけをみると、まるでわたしたちは付き合っているかのような距離感で、今まで意識していなかったけど顔から火がでそうなくらい体温が上昇していく。
「そういえば、どこの高校行ってんの?」
「桜ヶ丘高校」
「へえ。あそこか」
学校なんて聞いてどうするんだろう。
なんて、深く考えても仕方ないよね。
「うん……あ、もう家だ」
そうこうしているうちにひとりぼっちの家に着いてしまった。
誰かと一緒にいた後に明かりの灯っていない家に入ると、なんともいえない喪失感に襲われるから好きじゃない。