「ちょっとってなにそれ」
「だって、普通に可愛いとか言ったらお前調子乗りそうじゃん」
「乗らないし!」
いや……心の中ではたぶん乗りまくると思うけど。
「あー、そうだ。聖那いくつ?五歳?」
「はあ?五歳なわけないじゃん」
本当に出雲さんの冗談は毎回呆れてしまうくらいレベルだ。
「来年で17になるよ」
「おー、俺の一個下じゃん」
「えっ、出雲さんって今17なの!?」
同い年くらいに思ってた。
まさかの年上だなんて……。
「そうだけど……つーか、廉でいいから」
「えっ、でも」
「いいから。呼ばねぇと何するかわかんねえよ」
にやり、と意地悪っぽく笑う彼。
うぅ……そんな顔されると呼ばないといけないじゃん。
「……廉」
「なに?聖那」
こてん、と首を傾げてわたしを見つめる廉。
な、なにって……別に何かあって呼んだわけじゃない。
しかも、それをわかってて返事したな……こいつ!