顔が整っているから余計にドキドキしてしまう。

……こんな感情二度と抱かないって決めたのに。


「案外は余計だし……」

「でも、こんな夜中に女が一人で出歩くのは感心しねぇな」

「うるさい……別にあんたに関係ないじゃん」

「まあ、そうだな」

「でしょ」


ああ、もうバイバイなのかな。

せっかく会えたのに……なんてわたしは何を期待しているんだろう。


「そんな顔すんなよ」

「え?」

「帰りたくないって顔してんぞ。そんなに俺といたい?」


冗談っぽく言った彼の肩を軽くパシッと叩いた。

帰りたくないってバレているのかもしれない。

でも、そんなの見透かされたくない。


「違うし!」

「はいはい、分かってるって」

「じ、じゃあ!」