(うわ……っ! 天使……!?)

そこには、目を疑うほどの美少年がいた。

ふんわりとしたプラチナ色のブロンド。透けるような白い肌。大きくて海のように青い目。通った鼻筋に小さめの口は高貴そのものといった顔立ちで、触れがたいほどの品位を醸し出している。

身長は私と同じくらいだけど軍服に包まれた身体はスラリとしなやかで、清々しい少年の魅力に溢れていた。

メッテルニヒ様もかなりの美形だけれど、この少年の美しさは桁違いだ。顔立ちやスタイルの良さだけではない、彼のすべてから神々しいほどのオーラと品格が滲み出ている。

「あの、えっと……」

あまりの衝撃に言葉が出てこなくなってしまった私を、少年は腕を組み訝し気に眺めた。

「さっきからこの部屋の前を行ったり来たりしてたでしょ。見ない顔だね、もしかして迷子?」

『迷子?』と尋ねた少年の口もとが、かすかに悪戯っぽく笑った。笑みを湛えると途端に少年らしいあどけなさが全開になって、ますます私を惹きつける。