優しい柔軟剤の香り。

包まれるような温かさ。

ふわふわの柔らかい感覚。




「……んっ」


重たい瞼を開けると、そこは明らかに公園のベンチの上ではなかった。


…え?


寝起きのせいか、頭が上手く働かない。だけど、ここがどこなのかはすぐに理解した。



「あれ?起きたんだ」


突然部屋のドアが開き、ひょこっと顔を覗かせるのは、あたしもよく知っている人物。



「なんであたし、優牙(ゆうが)くんの部屋に……」


なんて疑問を抱いたけれど、ここはあたしがいた公園の近くのマンション。

おまけに、優牙くんの部屋のベランダからは、その公園も見える。

だから、何となく察しが着いた。