蒼太「冴島先生...平気ですか?」

雄大「ああ、何だ。柳瀬か。
今日はもう終わりだろ?
家に帰って休め。」

蒼太「そうなんですけど...
さっきのが気になって。
彼は一体誰なんですか?」

冴島先生は鍵のかかった引き出しから
カルテを取り出す。
ここにカルテが入ってるという事は
さっきの彼はもう助からない
患者さんなのだろう。

雄大「坂谷 佑磨。19歳。
彼は産まれながらにして
心臓が弱く20歳までの生存率は20%。」

蒼太「たったの20%‥。」

雄大「それでも彼はこの歳まで生きた。
でも、最近状態があまりよくない。」

蒼太「助かる方法はないんですか?」

雄大「心臓移植しかない。ただ‥」

蒼太「ドナーが見つからないんですね?」

雄大「いや、ドナーは見つかってる。
1年半前から。」