「言っとくけど、絶対に言うんじゃねーぞ」


「……あー、うん、もちろん」


「棒読みすんじゃねーよ」



必死になって口止めするよう頼んでるけど……


私が言っても信用されないと思う。



ま、焦る王子様も面白いし黙っておこう。


心の中で黒く笑いながら、王子様の言葉を待つ。



「なあ、秘密を知った以上、俺のパシリになれよ」


「は?」



突然過ぎて、思考が追いつかない。


何、王子様の秘密……裏の性格があることにパシリになるくらいの価値あるって言いたいの?


ばっかじゃない?



「さもなければ、お前は告白を覗き見した変態だって言ってあることないこと言ってやろうかな?」


「そんなの勝手にやればいいじゃん」


「俺は王子様だからな。発言力は偉大だ。
お前、社会的に学校生活終わることになるけど」



へえ、王子様の裏の人格はわかった。


わがまま、冷淡で優しさのカケラもない、ナルシスト。



王子様を好きになった女子が可愛そうだ。