「だったら、選択肢はひとつしかないよな?」



王子様は絶対に提案を受け入れると思っているんだろう、ニタニタとムカつく笑みを浮かべる。



……絶対に頷きたくない。



私の自由が奪われるのだけは絶対に嫌。


それに、誰が偽王子様のパシリなんかにならないといけないんだ。他の女子にあたってほしい。



「パシリだったら王子様ファンの女子に頼めばいいのでは?」


「私も私もってめんどくさくなるから、パシリはひとりでいい」



私の学園には王子様のファンクラブが存在する。


同学年の2年だけじゃなくて、先輩後輩問わず、更には先生までもがそのファンクラブに入ってるらしい。


もちろんほとんどが女子で占めていて、みんなミーハーな性格で積極的な人たちだから、王子様のパシリには快くなってくれるだろう。


しかし、ひとりパシリを作ってしまうと我こそはとファン全員が大騒ぎになってめんどくさくなると。



……いや、事実だけど自分で言うな。