「ごめんごめん!
 ちょっと遅くなっちまった!
 でも今日はすぐに追いつけたな!」

「今さっき歩き始めたしね。」

「それに翔は足速いから。」

「そうか?でも間に合ってよかったよかった! 
 そんじゃ、学校行こうぜ!」





この太陽みたいな笑顔で笑っているこの子、
小野丘翔も
私の幼馴染の一人。


私たちはいつも一緒に
学校へ行ってるんだ。



っても翔は3日に1日は寝坊するから
いつもってわけではないけど、笑


けど、翔の場合は
足が速いし、そんなに大寝坊ってわけじゃないから
すぐに追いつく日は今日みたいに
歩き始めてからすぐ合流できるんだ。






「あ、桜が咲いてる!」




並木道には見事な桜が咲き
鮮やかなピンクを描いていた。


思わず私は桜に見とれ、
立ち止まってしまった。



「すごいね~…。
 もう春なんだね。
 年がたつのは早いなぁ…」

「凛、発言がばばくさい。
 つーか桜を見て何が楽しいんだ?
 早く学校行こーぜーっ」


凛は立ち止まった私の隣に立ってくれて、
翔もぶつくさいいながら待っててくれた。

私は、今からクラス替えという
大イベントが待ち構えてるにもかかわらず
ピンク色の桜に目が釘付けになった。



(こんなきれいな桜が咲いて、
これであいつがいたらなぁ~…。)





「そういえば」