ピチチ…。

爽やかな朝の町の空に
鳥が羽ばたいていった。

それは新しい一日の始まり。




「由ー奈っ!
 学校行くよーっ!」

「はぁーいっ!
 今行くー!」



幼馴染の凛が私を呼ぶ。


もう小学校へ登校する時間だ。


食べかけのパンを口に押し込み、
二つに結んだ髪の毛を整え、
ランドセルを背負い、
玄関へかけていく。

そして、今日も元気よく


「いってきまーすっ!」




――――



私の名前は櫻井由奈。

元気いっぱいな小学3年生です!


今日は3年生が始まる新学期の日。
私の小学校では
3年生の時に一度クラス替えが行われるので
新しいクラスに超ドッキドキ!


どんなクラスになるのかなぁ…?




――――


「何にやにやしてるの?」

「へ?!
 にやにやなんかしてた!?」


隣を歩いていた凛が言ってきた。


凛は同い年の私の幼馴染。
家がお隣で親通しも仲がいいから
生まれたときから一緒!

だからお互いに兄弟がいないから
お互いが兄弟って感じかな?



「どーせクラス替えのことでも
 考えてたんでしょ?」

「えっ…よくわかったねーっ!」



だから凛は私のこと一番にわかってくれてるし
私も凛のことは一番にわかってるんだ!


「だって由奈、単純なんだもん!」

「え、ちょっとなにそ」

「素直ってことだよ!」

「いま単純って言ったじゃん!!」


でも…



「え?私そんなこと言った?」





おっとりしすぎて時々、考えが読めないことが
しばしばあったり…。







「言ったよ!!!!」





こんな感じでいつも凛とは
意思疎通できてるのかできてないのか
わからない状態です、笑






「由奈ーっ!
 凛ーっ!」


「あっ。」