「この間ね、千紗が男の子紹介してくれたの。おかしいでしょ? 千紗は私に満がいるの知ってるのに。
 でもね、そいつに満の事聞いたらね、同じ学年に仲良しの女の子が居るって言うの。変だよね? 満には私が居るのに。
 だから、その子のこと教えてってお願いしたの。もちろんタダじゃないよ」

 一度言葉を切った友香さんは、桜庭くんには聞こえないような囁くような声で続けた。

「1回してあげるって」

 友香さんは、尚もくすくすと笑う。

「そしたらね……たくさんたくさん調べてきてくれたの。とわちゃんの事。
 そんなに私としたかったのかな?
 仲がいいお友達とか、部活とか、毎日2人でそこの部屋に居ることとか、とわちゃんのおうちの、住所とか……ね?」

 サァッと音を立てて、血の気が引いたような気がした。私の家を……知ってるの? この人が?? 住所って、そんなに簡単に判る?

「とわちゃんの事、可愛いって言ってたよ。そいつ。
 ねぇ、とわちゃん。とわちゃんは、満ともうした?」

 え? と止まった私を、友香さんはくすくす笑う。